
今年も、戦争をさせない埼玉県1000人委員会の呼びかけで、戦争に反対する新聞意見広告のとりくみを行いました。意見広告は4月29日の朝日新聞朝刊に掲載されました。今年は、101歳のジャーナリストのむのたけじさんのアピールを掲載しました。
むのさんは自らの戦争体験から、戦争の非人道性と平和憲法の大切さを訴えておられます。70年間続いてきた平和をこれからも守り続けることが大切です。私たちは、安倍政権による憲法破壊を許さず、安保関連法(戦争法)の廃止を求めます。戦争をする国にさせないために、多くの方々と共に運動をすすめていきます。
ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
忘れてはならないことがあります
私たちには、絶対に忘れてはならない日がいくつかあります。
その一つは、1945年8月15日。日本が戦争に負けた日です。日本が始めた泥沼の戦争で、国民310万の尊い命がなくなりました。そして、アジア諸国で2000万人の命を奪いました。こんな膨大な人の死に思いをはせることはとても重要なことです。そしてもう二度と戦争をしないことを誓ったことを、私たちは忘れてはなりません。
もう一つ。それは2015年9月19日です。国民の圧倒的多数の人々が反対し、説明不足だと納得していなかったにも関わらず、平和憲法が壊され、また再び日本が戦争する国に回帰した日です。法律の専門家のほとんどが「違憲の疑いあり」とした安保関連法案(戦争法案)が勝手な解釈で「成立」させられました。私たちは、憲法と国民が安倍政権に無視されたこの日のことを絶対に忘れません。
戦争をする国にしてはなりません
ある政治家が、憲法を変えるために「ナチスの手口に学べ」と言いました。民主的な手続きを踏むことなく憲法をまったく異なるものにしたのは、ナチスの手口と同じです。ファシズムの嵐を巻き起こしたナチスのしたことと同じことが、いま私たちの目の前に起きています。
安倍政権は、政府を批判的に報道するマスコミに対して介入を繰り返し、ついには電波を止めるとまで言い出しました。子どもたちが学ぶ教科書には、必ず政府の考えが書き込まれることになりました。まるで国定教科書のようです。教育を統制し、マスコミを意のままにするのは、戦前の軍部と同じ手口です。すべては戦争をするためです。
私たちは、この現実をしっかりと見据え、再び戦争をする国にしないために声をあげ続けます。平和な未来を守るために、戦争法廃止!安倍内閣退陣!を叫び続けます。主権者は私たちです。私たちの未来は私たちが決めましょう。
2016年4月29日
戦争をさせない埼玉県1000人委員会
むのたけじさんメッセージ
私は戦争を国内でも海外でも経験した。そして、戦争は人類が作り出した最大の罪悪だと断定する。戦争国の合言葉はひとつだ。「敵国民をなるだけたくさん、なるだけ早く殺せ。そうすると勝つ」である。第二次世界大戦の終わりに日本の多くの都市がB29で襲撃されたときのように、戦争と何の関係もない子どもや女たちを巻き込んでますます残酷になった。
もしも第三次世界大戦を許したら、数千発の核爆弾が飛び交って、地球の動植物の九割は死に絶えるだろう。どうしても、第三次世界大戦の発生を食い止め、そして、そのエネルギーで戦争そのものの発生を食い止めなければならない。私たち日本国民はすでにこの70年続けてきた、平和路線を断固として守り通すだけである。
国民の皆さん、戦争のない平和な世の中を築くために、人間どうしの結びつきを固め直そうではありませんか。
むのたけじさんプロフィール
1915年秋田県生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。報知新聞に入社し、その後、朝日新聞記者となる。1945年8月敗戦時に戦争責任をとる形で退社。1948年秋田県横手市で週刊新聞『たいまつ』を創刊し、30年間発行し続けた。今もジャーナリストとして、執筆・講演など活躍中。さいたま市在住。
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